【アレックスと私】を読んで、胸がいっぱいになった話

コラム
スポンサーリンク
PexelsによるPixabayからの画像

ままちょです!

アイリーン・ペパーバーグ署『アレックスと私』、ずっと読みたかったのに、なかなか踏ん切りがつかなかったのですが、今回新たに文庫本が発売となりましたので、電子書籍で購入しました。

読み終えた後、何かがせり上がるように、胸がいっぱいになりました。

今回は、本書の読書感想文です。

スポンサーリンク

翻訳が上手でびっくり

アイリーン博士とアレックスのお話についての感想の前に、まず、語学と翻訳をかじったものの端くれとして、翻訳をなさった佐柳信男氏の日本語がとっても上手だと言うことを語らせてください。

この、上手、というのは【読ませるのが】上手、という意味で使っています。

本書は一部、研究報告でもあるので難しい専門用語も出てくるのですが、サラっと読めてしまうのです。

流石は大学で教鞭をとってらっしゃり、更には教壇に立って長いということもあって、わかりやすく、素人でも理解しやすいように書かれています。

そして何より、『今』の言葉を使っているのです。

例えば、以下の所。

「私はさすがに凹んだ。最悪の気分だった。」

—『アレックスと私 (ハヤカワ文庫NF)』アイリーン M ペパーバーグ著
https://a.co/eALYzkp
Gordon JohnsonによるPixabayからの画像

私は、これはすごいことだと思っています。

ちょっと前の話ですが、某魔法学校に通っている生き残りの男の子の物語を翻訳した方は、使う言葉が古かった…

『その時』の言葉、文章を使えていなかったように思います。

ですが、佐柳信男氏は違います。

佐柳氏は、若い学生と触れ合う機会が多いということもあると思いますが、『今の言葉』で『今を生きる』人たちに伝えています。

氏が翻訳しているほかの本も、読みたくなりました!

研究日誌?フェミニズム?闘いの記録

makuninによるPixabayからの画像

さて、では本書の内容についてみてみましょう。

本書のあらすじを私の言葉で書くと、『アイリーン博士とヨウムのアレックスが、”鳥頭”の概念を覆し、”ありえない”を成し遂げる物語』です。

さて、どこの国でも、どんな人間でも先入観や偏見はあるもので、まして女性が『それまでの当たり前』に意見しようものなら厳しい批判や誹謗中傷が起こるものです。

それが50年近く前のアメリカであれば、当時のアイリーン博士の置かれた状況は非常に過酷だったことでしょう。

特に大学や研究機関はそのような傾向が強いらしく、私が大学生だった10年前ですら、「大学の教授になりた~い♪」とヒトコト言っただけで「女性には厳しい環境だよ、差別もあるしさ」と当の大学教授(男性)から即答されるくらいです。

もう一度言います、それが国が違うとはいえ、50年近く前の話ですから、アイリーン博士の置かれた状況の過酷さは私の想像を絶するものだったことでしょう。

StockSnapによるPixabayからの画像

それにも負けず、闘い続けた記録でもあるのが本書です。

ただ、当然ですが当時の恨みつらみのようなことは記載されていません。

淡々と、そういう状況だったのだ、と報告があるのみですから、暗くつらい気持ちにはなりにくいです。

むしろ、「それがどうしたというのだ!」と真っ向から挑み続けたアイリーン博士の姿勢に勇気をもらえます。

アレックスが成し遂げたこと

この本を読もうと思っている方は、すでにアレックスがどのような鳥で、どのようなことを成し遂げたのかをご存じの方が多いと思います。

なので、どのようなことを成し遂げたのかは、本書のネタバレにもなりますし、ここでは詳しくは触れません。

ただ、アレックスはとっても偉大なことを成し遂げました。

それは、この記事を読む前からアレックスを知っている人や、これから本書を読む人の心を動かす事です。

いい意味でも、悪い意味でも、です。

アレックスは、人の心を動かせるのです。

なんてすばらしい偉業なのでしょうか。

*このヨウムさんはアレックスではありません。フリー素材サイトで見つけた子です。

本書を読んで、我が家のヨウムと触れてみて

本書が私にもたらした大きな変化と言えば、我が家のようちゃん(ヨウム、オス、2019年生まれ)のことを、今まで以上に愛おしく思うようになったことです。

クリッカーを使ってのお稽古や、「おはよぉ」「よいしょー」「あちょー!」など語録の少ないおしゃべり、羽が生えそろったことで長距離を飛べるようになり、褒めちぎったらドヤ顔でふんぞり返る、そのような日々の暮らしで、お迎えから今日までたくさん愛情を注ぎました。

しかし、それはただ「かわいい」の延長線上にしか過ぎなかったのだな、と思ってしまいました。

なぜなら、本書を読み、改めてようちゃんと触れ合ったとき、突然胸がいっぱいになり、涙があふれてしまったのです。

我が家のようちゃんです。

これが愛なのか…

びっくりしました。

ようちゃんも私の、普段とは違った様子に首をかしげて、不思議そうにしていました。

アレックスは、私が、より、ようちゃんを理解するため、愛するために生まれたのではないか、そのように感じてしまったのです。

この本は、ヨウムさんを家族に持つ人間の「愛」を揺さぶると、思います。

是非、アイリーン博士とアレックスの闘いの記録であり、愛の記録でもある本書を読んでみてください。


*
**********

数あるブログの中から、とりねこblogの記事を選び、読んでくださりありがとうございます。

また、いらして頂けると大変嬉しいです。

あなたのBirdLIFEが豊かなものになりますように。

ままちょ

*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆* 

Follow me!

コメント

タイトルとURLをコピーしました